午前三時の音楽

ライブの感想などを書いています

高橋徹也『The Endless Summer 2015』@京都SOLE CAFE

10月だというのに真夏のような陽光の照りつける京都。14時過ぎ、7部丈のセーター(二月の代官山と同じかな?)に細身のパンツ、クラークスのタカテツ登場。
ステージに用意された二本のギターのうち、エレキギターを構え、「ドライブ」から本編スタート。
弾き語りライブは初めてですが、だからといって物足りないなんてことは当然ありません。音数が抑えられてシンプルな分、メロディーと歌声の美しさがより際立つよう。伸びやかな高音とファルセットの美しさにうっとり。
二曲目、「人の住む場所」の高鳴りは初っ端から最高潮の盛り上がり。
歌声が毎回ハッとするほど美しいってしつこく言ってますが、生で聞くと本当にびっくりするほどなんですよ。
聴くたびに伸びやかさと力強さが増してる気がする!
続くチャイナカフェ〜夕食の後、と、テンション高めの曲がグイグイ場の空気を盛り上げてくれます。

MCの面白さは相変わらず

「寝つきは良い方なのですが、今日は京都に来るのでなんだか色々落ち着かなくて。果たしてこの会場に着けるのかな、みたいな気持ちになりました」

駅から遠いもんね……(そういう問題じゃありません。笑)
東京以外でのライブはやはり特別なんですね。静かに、それでもテンションが上がってるのを隠しきれないのがなんとも微笑ましいし、なんだか嬉しい。

「初めて来た一昨年は大統領夫人〜リリースツアーでしたが特にアルバム曲はやらず……去年の未発表音源発売記念ライブでもアルバム曲は特にやらず、今後もあんまりやる予定はありません。今回も新作の曲は特にやりません」

なんの為のリリースツアーだ!笑 自由だな!笑

無口なピアノ〜雨宿り、と未発表曲が続きます。この辺からギターがアコギに変わったのかな?
サンディエゴビーチ〜サマーピープルの夏の名残を惜しむようなしっとりとした静けさと熱を孕んだ余韻が心地良い。
「今の方が好き」というMy favorite girlは成熟した色気と軽やかさが溢れて、楽曲のきらめきが増しているようでした。

「普段窓のないスタジオに籠っているから」たっぷりと陽射しの降り注ぐ昼間の会場はとても新鮮で心地よい、と高橋さん。

確かにこのキラキラやわらかい光に包まれた時間は開放感と穏やかさがあってとても今の高橋徹也の生み出す音にあっている最高のシチュエーションです。初めて見た二年前のこの場所で感じた心地よい閉塞感、目の前に居るのにどこにもいないように感じたあのトリップ感のような感覚はどこへやら。
ぬくもりと笑顔がきらきら降り注いでいて、澄んだ色と空気に包まれた魔法がすっと解き放たれていくよう。
文字通り羽ばたくような軽やかな「ブラックバード」の高揚感、「ユニバース」のどこまでも果てしない広がり。
アンコール「真夜中のドライブイン」まで、のびのびと高らかに心地よく優しく音が鳴らされていて、とてもリラックスした良い雰囲気のまま過ごせた気がします。
音がキラキラした光に包まれていて、歌声はどこまでも伸びやかで高らかで。とにかく開放感と無限の広がりがあの場には溢れていたなと思います。
聞いていて心ごと舞い上がるような心地になれたあんな時間、中々無いんじゃないかな。

今後のライブのご案内も少しありましたが、次回の名古屋はバンドで行くので「遅れてきた修学旅行のよう」とすごく楽しみだそう。
学生時代そういうのに乗れなかったから〜とのことですが、それだけ今のバンドが仲良しで良い空気でやれてるって証でもありますよね。うむ、素敵なことだ。
その充実ぶりがパッケージングされたのが新作だと思っていいのかしら。

終演後は新作の先行販売ターイム!
「お釣りが無いのでぴったりある方からお願いします」
く、崩しておいてください……。笑 でもそれがTTなので仕方ない。笑 
勢い余って「ありまーす」とそそくさ物販へ

「お友達から山田さんとのライブよかったって聞きました〜またやってください、都合つけて行きます!笑」
(東京でも、のつもりでした)
高橋さん「彼とはまた回りたいと思ってます」と、にこやかに。
回る!? ツアーと思っていいんですか!?
「また行きます、ありがとうございました!」  と、(今日はしらふだしテンションがマシだったぞ!と。笑)ニコニコ状態でお話させて頂き、手土産もお渡し出来たので帰ろうとしたところで財布を開いたら千円札が沢山入っていました。

はっ!?

「両替しましょうか?」

何故かよく分からない行動力を発揮し、高橋さんに両替を申し出るわたし。笑100円玉もご用意がなく、お店の方に両替してもらってらっしゃいました。笑

 

まぁそんな感じで、最後に謎のオチをつけて(笑)楽しい秋の一日は無事幕を下ろしたのでした。

ライブの度に感極まった様子で投げかけて頂ける「みなさん最高です!」のお言葉が本当に嬉しくて、それも全て最高の音楽を鳴らしてくれる高橋徹也という音楽家の最高峰のパフォーマンスがあってこそなのですよ。
大人なので都合をつけて(笑)また必ず行くので、その時もまた「最高のオーディエンス」の一員になれたらな、とそう思いました。

 

 

10/3 京都SOLE CAFE(SET LIST)
1. ドライブ
2. 人の住む場所
3. チャイナ・カフェ
4. 夕食の後
5. 無口なピアノ
6. 雨宿り
7. サンディエゴ・ビーチ
8. サマーピープル
9. The Orchestra
10. My Favourite Girl
11. 角の向こうでワルツ
12. 夜のとばりで会いましょう
13. Praha
14. ブラックバード
15. ユニバース
EC. 真夜中のドライブイン