午前三時の音楽

ライブの感想などを書いています

小林建樹ワンマンライブ「BLUE MOON ~不思議な夜をご一緒に」 9/3 下北沢 Com.Cafe 音倉

4月末に行われたワンマンライブに引き続き、夏の終わりを迎えるこの時期に建樹さんのライブがふたたび開催!
新しい作品の制作に取り組みながら、季節ごとに「現在地」をライブで示していくというスタイルになったということなのでしょうか。
東京会場には残念ながら足を運ぶことが出来ませんが、なんと今回も配信があるんです! バンザイ!
というわけで、画面越しに参加しながら受け取ったもの、考えたことを個人的なメモとして残させていただきます。
もしよろしければ、おつきあいいただければ幸いです。

※当然ながら全面的なネタバレを含みます。配信ライブの視聴前で及び、名古屋公演をまっさらな気持ちで楽しみたい方はご注意ください。



会場はすっかり東京でのホームとなった下北沢の音蔵さん(オリジナルドリンクは美味しいし、スタッフさんもとても親切でお優しくてアットホームなすてきな箱です!)
配信機材のトラブルを経て、ネイビーベースのアロハシャツ(とってもお似合い!)の建樹さんが登場。いつものようにアコギでの弾き語りでスタート。
ん、この曲はすごくいい曲だけど……?(「Colony」、Spoonのカップリングだったそう)ワァオ、しょっぱなからまさかの選曲だ。
歌声もつま弾かれるギターの音色も角が取れたようにやわらかく澄んでいて、それでいて奥行きの深さが感じられて一気に引き込まれますね。
そのまま流れるように「Am6」、配信のカメラはリズムをとる足下まで移してくれるぞ!
このハイトーンボイスとフェイクの掛け合いのスリリングさ、たまらないものがあるね。
メドレーはそのままノンストップで続き、「こんばんは、小林建樹です!」とおなじみのご挨拶を挟みながら名曲「満月」へ。
序盤のこの流れ、痛みや苦悩の中で手探りでもがきながら「満月」の光に導かれて手を伸ばしていく青年の姿が見えるような見事な流れですね。
パフォーマンスのクオリティはもちろんなんだけれど、毎回ライブの中でひとつの流れを通して伝えたいコンセプトが貫かれているかのよう。

ここで、小休止の最初のMC。
「ご来場のみなさま、トラブルがありましたので後で配信でごらんのみなさま、ワンマンライブBlue Moonへようこそ」

満月の前後にワンマンライブを行うことが多いという建樹さん。今回のコンセプトはとても珍しい8月にあった二回の満月に合わせての「神秘的なイメージ」だったそう。

「神秘的って言ってもわからないですよね?笑」

わからなくもないけれど、まぁふんわりはしてるね?。笑
そこで建樹さんなりに導き出した答えは「恋する気持ち」
何かを好きになる気持ちは自分の意志ではコントロール出来ないものだからこそ、どこか神秘的な不思議な力を感じる、とのこと。
あ~言われてみると確かに!
わたしがラジオで頻繁にかかっていた時期にはなぜかあまりピンとこなかった建樹さんの音楽を10年越しでものすごく大好きになったのもなにか神秘的な力に導かれた恋するような気持ちとしか言えない!笑
音楽や芸術に恋をしている建樹さんの表現に我らもまた恋をしているんだねきっと。
やがて、MCは次に演奏する曲の解説へ。

(From Yesterdayについて)
「二曲目に歌います。これは出だしのところだけ先に出来ていて、それから7年くらいかかって」

(Cau Cauについて)
「ネットショッピングにはまっていた時に書いた曲です。お金を払うことが気持ちよくて、ものが届いてもなんだかぼんやりしてるっていう怖さを歌った曲で」
2020年のコロナまっただ中に発表された曲だからこそ、その気分が色濃く反映されている感じは受け取ったかなぁ。

順番じゃないのはMCでの解説の流れから繋いでいけるように、ってことなのかぁ。
Cau Cau、アップテンポでポップなメロディラインと建樹さんの持ち味のハイトーンでちょっとコケティッシュな歌い回しがばっちりはまってるんだけれど歌詞はちょっと批評的でスパイスが効いてるんだよな。
「ほんとにほしいものにいつか出会えますように♪」のところが切なくて大好きです。
続いて、アップテンポな楽曲が続いたいままでからは打って変わって、しっとりと歌い上げる「From Yesterday」へ。
青い光に照らされながらとても大切に思いを込めるように歌われる歌声は、いつも以上にメロディの美しさと言葉の輪郭が際だって聞こえるよう。

(新曲、「魔術師」について)
「この曲はメッセージソングなんですね。僕は歌詞を書くときには意味よりも言葉の響きを重視するから、意味がわからないことのほうが多いんですが、今回は書きたいことがあって」

楽曲の芯となるテーマに選んだのは「だまされるな」というメッセージ。

「世の中は本当に混沌としていて、いろいろな考え方があるのは飲み込むしかないと思うのだけれど――そんな不安な中で、人をだまそうとしている輩がいることを許せないと思いました」
「サビまでは語り手が歌っているんだけれど、サビからは悪人が歌っているというテイになります。メロディは80年代の歌謡曲のような快楽的なメロディを意識して作りました」

以前ラジオで披露された「Myster」の解説もたいへん興味深いものでしたが、ご本人自ら楽曲の世界について紐解いてくださるとはすごくスリリングだ!
わたしにとっての魔術師=音楽の世界の奥深くへ誘っていく建樹さんの存在のように感じられて、なんてスリリングでかっこいい曲だろう! とドキッとさせられたのですが、自らその仕掛けについて語ってもらえるとは、なんて興味深い機会だろう。
建樹さんご本人も語られたように「疑え」という強いメッセージを打ち出しながらも、サビからは蠱惑的な魔術師の巧みな誘い言葉で畳みかけてこられるんだから、ユニークな構成ですよね。
魔術師が甘い言葉で囁いてくるぞ、という「手の内」をキャッチーなメロディラインに載せてくることで、逆説的にその恐ろしさを描き出している、と思えばいいのかな。
ライブごとに表現の切り口やコンセプトは毎回少しずつ変化しているように感じますが、特に今年に入ってからは「時間の流れ」と「自己開示」を建樹さんが大きなテーマとしてライブの主軸に据えているのはたしかなんでしょうね。
「大丈夫」の優しいエールだった「It's OK」からは一転した新しい景色がこんなにもスリリングで美しいものなんだから、この人の持つ感性の引き出しの奥深さには魅入られるばかりだ。
続いて、ミステリアスな美しさがさらに増した「silence」は誘惑にあらがうことが出来ないままに魔術師に見せられた幻影のように響いて聞こえるのがたまらない。
この流れはまさに「不思議な力にあらがうことが出来ないまま飲み込まれていく神秘的な夜」を体現しているようだ。ここから夏の夜の神秘をより深く広げていくかのような「Sweet rendezvous」に流れるあたり、お見事としか言いようがないですね。
ラジオでも以前語られていた、「舞い降りれる♪」のくだりのスリリングな美しさはまさに「曖昧な引力」に飲み込まれていくよう。
わたしは圧倒的な芸術が体現されていると、その捕らえ所のない美しさに畏怖の念のようなものを感じるのですが、建樹さんの楽曲世界にもそういったものを感じるんですよね。
容易い理解や共感を寄せ付けないような捕らえ所のない世界へと、不思議とキャッチーで心をざわつかせる魅力的なメロディと歌声でぐっと引き寄せられてしまう感じ。
デビュー当時からそういった世界観が見事に完成されていて、その世界に込められたものを「いまこの時」の色でまた新たに描いてしまうんだから、その都度我らは驚かされてしまうばかり。いやあこの音の魔術師、ますます目が離せないぞ! と思わせてくれたところで前半戦は終了です。


さてはて、休憩を挟んでの後半戦。指慣らしのピアノの旋律に続いて鳴らされるのは言わずもがな、の名曲「祈り」
ここで披露されるのは前半の「魔術師」を経てのアンサーのように個人的には聞こえました。
深く自分を見つめればおのずと答えは見つけられるはず、と優しく諭すように歌われるこの曲はいつ何度聞いてもお守りのように心に響くね。

続いて、MCの内容は以前のラジオでも数度にわたって語られた提供曲について。
ラジオではさわりだけをピアノ弾き語りで披露してくださいましたが、なんと今回はフル尺で聞かせてもらえる!
セレクトされた楽曲は松浦亜矢さんに提供された「灯台


youtu.beHound Dogもセルフカバーで聴きたいな、ものすごく建樹さん節全開だよね。)



「自分の曲を作る時と提供曲を作る時には気持ちが違うという話をいまからしますね」

前置きからはじまるの、なんかあたらしいね。笑
気になるその「違い」がなんなのかというと……。

「自分の曲は7割くらい出来たら完成にしてしまうんですが、提供曲は8~9割の完成度を目指すんです」

なぜそういった完成度に持っていけるのかの秘訣がなんなのかというと、提供曲を作る際には先人の生み出した既存の名曲のエッセンスを引き出しに作るようにしているが、自分の曲を作る際にはその方法論を用いず、自らの考えたメロディで一から作りたいと思うから。
おお、職業作曲家として/シンガーソングライターとしての矜持がそうさせるのかな。

「自分の楽曲の場合は一から作るとそこまで持っていけないので、7割でいったん完成させてからライブで仕上げていくことで、歌いながら見えてくるんです」

いまこうして新しい作品を作りながらライブの場をもうけてくださるのは、ブラッシュアップして完成させる場を求めていらっしゃるからなのかな。

(「灯台」について)
「すっごいしっかりした曲だなと思って。がんばって歌います」

女性の視点で叶わない恋心を歌う、という完全なフィクションだし、あれだけ歌のうまい松浦亜矢さんに提供された楽曲なこともあり、スタンダードナンバーのバラードとしての完成度がすごい楽曲なんですよね。
ピアノ弾き語りでこうしてご本人の歌う姿を見られる日がくるだなんて、発表時から知っていた方は本当にびっくりしたろうな。
男性の歌うセルフカバーならではのしっとりとした切なさとふわりと香り立つような色香をまとった美しさがたまらない。

続いて、流れるようにピアノの旋律が奏でるのは「夏の予感」!
このつなぎは誰も予想できるはずがなくて、ほんとうにびっくり。
楽曲の持ち味や描かれる景色は当然ながら見事に異なっているんだけれど、メロディの美しさや伸びやかな高音に包み込まれる心地よさは通じるものがあるなぁ。
メドレー形式で続いて演奏されるのは「3minutes」
このどうしようもない切なさと、痛みや弱さに向き合いながらまっすぐ前を見つめようとする優しさ。いつ何度聞いても本当にすばらしい楽曲なんだけれど、この流れも相まってとても心に迫ってくる!
心の隅々にまで染み渡るように優しく広がっていくのがたまらなくって、こうして感想を打ちながら誇張じゃなく胸が苦しくなってしまうほど。笑

「MCで提供曲と自分の曲の違いについて話をしましたが、歌っていてそのとおりだなぁと思いました」

ご自身でも提供曲のようなクオリティでの曲を自分の曲では作れないことが長い間「気持ち悪くなるほど」コンプレックスだったとのこと。

「こういう機会でもないと考えないので、MCしてよかったなぁって」

「誰かに伝えるため」に思考に潜っていくこと、そこで見つけだした答えをアウトプットすることでしか開けない扉ってあるんですよね。そしてそこで得た「気づき」は自身の危うさを支えてくれる指針になる。
それは誰かに「教えてもらった」思想では決して成し得ることが出来ない。
おお、まさに「魔術師」と「祈り」が違う角度から照らし出してくれたものの片鱗があるようだ。
活動を再開されてからの建樹さんがライブ中に聞かせてくださるお話には、ご自身のナイーブな部分を包み隠さずに打ち明けたり、思考の森に深く潜っていった先で見つけた感情や景色を楽曲以外の面でも「伝えよう」という強い意志を感じます。

やがてMCは少し前まで病に臥せっていたこと、回復された後に「君たちはどう生きるか」を見に行った話へと。

「音楽がすばらしかったんですね。冒頭をあけたところで初めて鳴る曲がこんな曲で――」
(ピアノでメロディを奏でる)
「オーケストラもなしにピアノだけの音で、これは音楽を始めたばかりの人が弾く基礎のコード進行なんです」
久石譲さんは元々はミニマムミュージックの人なんですね。ミニマムとは最小単位の音を鳴らすこういった楽曲で――」
(ピアノで実演)

注目する箇所を音楽に絞って鑑賞した、とはさすが音楽家ならではだ。
大半が専門外なのであろう我らに向けてこうして解説を交えてお話してくだるあたり、ご自身の音楽との向き合い方・接し方について「わかるように」伝えたいと思ってくださっているということなのかな。
優しく丁寧な語り口で芸術に寄り添うように生きるご自身の思考や感情を開いていくお話はやがて、今回のタイトルに冠された「Blue Moon」について。

「興味のない人にはなんのこっちゃや? と思ったんで日本語のタイトルもつけたんです。『不思議な夜をご一緒に』っていうんですけど、なんのこっちゃや? ですよね。『素敵な夜をご一緒に』のほうがよかった(笑)」

会場からはくすくす笑い声があがっています。
画面越しに見ているわたしは「そんなことないよー!」って叫びたい気持ちになりました。笑(応援上映スタイル)

「不思議な夜っていうのはまさにこの9月の夜のことなんです。生ぬるい風が吹いていて、あたたかくて、夏で……万能感に満たされていくような感覚を味わうんです」

20年越しに開かされた種明かしを経ての「不思議な夜」のこの軽やかな美しさとまばゆさと完成度が本当にもう言葉で言い尽くせないほどにすばらしくって。
個人的にこの曲に受けるのはナイーブでイノセントな感性の持ち主がありのままに不安や焦燥に向き合いながら前に進もうともがいている姿で、だからこそ「万能感」という言葉にはすこしびっくりしたのですが、不安や迷いも戸惑いがありながらも表現したいものはあふれんばかりだった才気あふれる若者の胸の内を覆い尽くしていた「万能感」が昇華させた芸術があの楽曲世界を生み出していて、生々しい痛みも伴っているからこそ、一時期は遠ざけていたそれらの楽曲を、当時感じていたことに今一度立ち返りながらあらたな命を吹き込む機会が訪れたということなのかな。
続いて流れるように演奏されるのは「花」! 
ピアノ弾き語りで披露されるのはわたしがライブを見るようになった10年前から定番となっていますが、本当に文字通り鮮やかな花が咲きこぼれていく光景みたいなんだよね。
わたしはすごくすごく悲しかった時に「欲張るぶんだけ優しくなりたいな」がものすごく心に迫ってきてお守りのように大切に心に刻んで繰り返し聴いていたことを聴く度に思い出してしまいます。
当時の建樹さんの楽曲世界の切実でまばゆい輝きを放つさまに自身の揺れ動く大切な感情を預けて聴いていた人はきっとわたしのほかにもたくさんいるんだろうな。
跳ね回るピアノの軽快な音色と、客席から自然とわき起こったのであろう手拍子が渾然一体となり、一気に高らかに登り詰めていくかのようなSpoonで本編は終了。
音楽のたぐいまれなる力を借りるようにして、どこまでも高みへと軽やかに登り詰めていく姿を見せてくれるかのような奇跡みたいな楽しさだ!

まもなくしてアンコールへ。
病み上がりなこともあり、不安はあったけれど咳も出ずに歌い切れた、とほっとしたようすで話されるお姿にこちらもほっ。

(新曲、「ペルセウス」について)
「何座でもないなと思ったけれど、ちょうど8月にくると聞いてちょうどいいなと思って」

この神秘的な夜にたちまちに飲み込まれていくような独自なメロディライン、建樹さんの真骨頂だよね。流れるままに軽やかに紡がれるピアノは「最初のメロディ」へ!
ほんとうにいつ、何度聴いてもすばらしいんだけれど、この日、この流れでここで聴かせてもらえることでまたあらたな出会いを果たせたような気持ちになってしまう。
幾度となく傷つき、戸惑いや痛みに苦しみながら「とりあえず前に進むしかない」と時に暗中模索で歩み続けた人がこの世界に生まれてきたこと、表現したいことがあるという喜びを高らかに歌ってくれることに本当に感動するのですが、「いまこの時、歌いたい」とわたしたちに届けてくれたことが本当に嬉しいです。
類まれなる豊かで美しい世界に「恋する気持ち」がまっすぐに胸の真ん中に去来させられてしまうし、建樹さんが届けてくださった「愛」の瑞々しさやどこまでも純度の高いきらめきがありのままに閉じこめられているよう。

「またライブやりますんで」との、何よりも嬉しい言葉と満ち足りたようすの優しい笑顔とともに本編はこれにて終了。


本当に幸運なことに、建樹さんのライブを会場・配信で合わせて見させてもらうのはこれで4回目なのですが、その度に新たな色鮮やかで美しい景色を見せてもらえることに驚きます。
感情の扉がいくつも開いて、心を震わされるような新鮮な驚きと喜びがあふれていて、言葉ではたやすく言い尽くせるものではすこしもないのだけれど、残したくってたまらない気持ちにさせられます。

時の流れを経て変化していくものがあったこと、それでも楽曲の中には「その時」のかけがえのない宝物が閉じこめられていて、それらをいまだからこそ見える俯瞰からの視点で優しく振り返ることで新たな芸術を描き出しているように見えて、そこにすごく感動させられてしまうのかな。




一回目の視聴時の感想。

感情の奥に眠っているものや、何かを受け取った時に感じる衝動だなんてものは容易く言葉で言い表せるようなものなんかではないのだから言葉になんてならないのが本来は「あたりまえ」なんですよね。
そもそも、心の内にあるものは取り出した時点で変容してしまうから、本当の芯にあるものなんて形になるはずなんてない。
それでも、「あきらめてしまう」ことを選ばない・選べない人が伝達手段として表現を世に送り出すのだと思います。


(結果的に色濃く心境が映し出されてしまった、というところはあるのかもしれない)
(わたしはものすごく時々短歌を詠むんですが、概ね心象風景ばっかり詠んでいるので「これはどういう意味ですか?」って聞かれても答えようがないんですよね。そういう感覚に近いのかなぁ。おこがましい話ではありますが)


「わかりやすい意味合いに落とし込んでパッケージして手渡すようなものではない、感覚や直感に導かれるままに」と自由な発想で作品を生み出していたのであろう人が(結果的に、そこにはすごく鮮やかで切実なものが落とし込まれているようにわたしは感じるのですが)「こういったことを伝えたい」「こういった意図やねらいを込めて、こういった方法論に基づいて作り上げた」と、ひとつひとつを紐解くように語ってくださることや、しきりに「伝わるかな?」とはにかみながらお話してくださるというのは本当に驚くべき大きな変化だと思うのですが、それだけ「目の前にいる人たちに言葉と心を尽くして伝えたいと思う勇気、それをきっと受け止めてくれる人たちがいるはずだと信じる大きな愛と信頼、そしてなにより、その芸術を叶えてしまう磨き抜かれた技術力の結晶」が見えるようで、だからこんなにも心を動かされてしまうのかもしれない。

すばらしい時間に立ち会わせてもらえて、それらに出会えたからこそ感じ取れたものをこうして残せたこと、そして何よりも、こうして目を留めて読んでくださる方がいらっしゃることが本当にうれしいです。
ここまでおつきあいくださりありがとうございました。つたないなりに東京公演の感想もまとめられたところで、元気に名古屋に行ってきます。